原工芸 STORY

世界の銘木 屋久杉

鹿児島市の 南方百五十キロ米

太平洋上に浮かぶ屋久島には 屋久杉の原生林有り。

縄文の昔より 今日に至るまで 悠久の歴史を生き続け

樹齢 実に数千年余に及ぶものあり 

その生命力と偉大さと幽玄さ 今更のごとく 驚嘆の他なし

故に神木として 島民信仰の的たり。

太古より 数知れぬ 風雨と氷霜に耐えて 生き抜きし 

生への執念と 荘厳の美は 

大いなる重量感を以て 肺肝に迫るものなり。

織りなす 縄文杉の木理は 正に神業と申す可く

神木と仰がれし所以も宣なる哉

縄文杉と生命の神秘に打たれ
古株土に埋もれんとするを惜しみ

 

これにいささか 人工を加えて 永くその神秘を保存せんと志す。

気難しい屋久杉を頭で描いた形に昇華させる

油分が多く、目が詰まった木質のため、割れやすく細かい加工が難しい屋久杉を、伝統工房伝承の挽き技法で、「小鉢」「お盆」「タンブラー」等の工芸品に生まれ変わらせる。

卓越した挽き技はもちろん、木取りの確かな眼力で、美しい姿を揺らめかせる

1960年挽き物工房創設以来、親子三代にわたって独自の木取り眼と、卓越した挽き技を父子相伝で継承し、屋久杉独特の杢目を光の中で揺らめかせ、美しい姿として蘇らせる。

日々の暮らしの中で、屋久杉の悠久の美を愉しんで戴きたい。

普段使いするからこそ、毎日の暮らしに深い味わいをもたらすよう、樹齢千年以上の悠久の時を生きた杢目を活かす木取りをし、その素材の一番良い杢目を蘇せた工芸品に昇華させる。