2021/03/04 14:18

1993年に世界自然遺産に登録された、鹿児島県最南端より南西約60kmの海上に浮かぶ屋久島。

その屋久島のシンボル的存在が屋久杉。

屋久杉は、海からの湿った風がぶつかり、山地では毎年10,000mm前後の降水量が観測されるほど多雨・強風など
の厳しい自然環境を耐えて樹齢千年から二千年をかけて育ちます。世界遺産登録後、全面的に伐採が禁止になってからは、以前に伐採された木や根株(土埋木)を少量づつ伝統工芸資材と
して活用している希少材。
ただ、その活用の場は、テーブルや飾り棚、衝立など大型家具がほとんどでした。

そんな中、希少材・屋久杉を輝かせるには、“日々の暮らしの中でその魅力を楽しんで戴ける「挽き物や小物」”と、原 秋夫(初代・原 款亮)が1960年に挽き物工房を創設し、


油分が多く、目が詰まった木質のため割れやすく細かい加工の困難さを克服し、親子三代にわたって父子相伝で独自の挽き技を継承し、日々の暮らしで愉しんでいただける、屋久杉挽き物をつくりつづけています。


希少材屋久杉の特徴は、繊細で流麗華麗な木目の美しさ。
その木目の美しさを活かすために、木取りの際には仕上がりをイメージし、

その素材の一番良い杢目を活かす工芸品に昇華させています。